こんにちは、yasuです。だいぶ低頻度のブログになってしまい、恐縮です。
今回はいろんなキャリア相談を受けている中で、マーケティングリサーチャーの"今後"として商品企画などに携わることができるのか?という話をしていこうかな?って思います。

「調査設計しかしてこなかった自分に、商品企画なんてできるのか?」

これは、調査会社やリサーチ部門で数年経験を積んだ人が一度は抱える問いです。事業会社の求人票には「マーケティング経験者歓迎」「商品企画・ブランド担当」と書かれている。自分のやってきた仕事は"マーケティングリサーチ"という名の通り、マーケティングの一部のはずなのに、なぜか自分は蚊帳の外にいる気がする。そんな違和感を持っている方は少なくありません。というか結構多い印象。

この記事では、「リサーチャーが商品企画職に転職できるのか?」という問いに向き合いながら、その際にぶつかる壁と、それを乗り越えるためのヒントについて書いていこうかなと思っています。ただし、私はずっと調査会社側の人間ですので、商品企画で働いた人ではないです。しかしながら商品企画で働く人と一緒に仕事をして仲良くさせていただく中で得てきた発見をもとに書いていますので、その点悪しからず。


リサーチのスキルは“使える”。けれど“伝わりにくい”

結論から言えば、リサーチャーが商品企画職に転職することは可能です。ただし、それには前提があります。「分析力」や「論理性」だけでは、武器にならないということです。

リサーチャーが日常的に行っている仮説構築、調査設計、分析・示唆出し、報告……これらはすべて商品企画に不可欠な力です。にもかかわらず、転職市場では“そのままでは伝わらない”。なぜなら、「調査をする」ことが目的化しているように見えるからです。

商品企画職に求められるのは「商品をつくる/売る」という出口視点。そのためには、自分のやってきた仕事を“インプットの設計”ではなく“アウトプットを導くためのプロセス”として再定義する必要があります。


スキルの“再ラベリング”がキャリアの突破口になる

ここで重要になるのが、スキルの“再ラベリング”です。たとえば:

  • 「定性調査の設計・分析」 → 「生活者インサイトの構造化」
  • 「調査票の設計」 → 「意思決定に資する情報設計力」
  • 「クロス集計+示唆出し」 → 「仮説検証によるニーズ発掘」

このように、“何をやっていたか”ではなく、“何に貢献していたか”で語ることが、リサーチャーの転職において非常に重要になります。採用側の言語で話すこと。言い換えれば、「マーケティングリサーチャー」という業界内の職能記述を、事業会社の“成果言語”に翻訳する作業です。これで苦戦している人をたくさん見てきました。


商品企画職が求める「仮説とストーリー」

もう一つ大切なのは、「仮説」と「ストーリー」です。商品企画では、「このターゲットにはこんな未充足ニーズがあって、だからこういう商品が求められるはず」という論理をつくり、それを関係者に“物語”として伝える力が問われます。

ここで強みになるのが、リサーチャーが持っている“問いを立てる力”と“構造化する力”。つまり、商品企画職が欲しているのは、答えを知っている人ではなく、問いを見つけて育てられる人なのです。

その意味で、リサーチャーはポテンシャル人材として極めて相性が良い。ただし、「私はずっと調査をやってきました」だけでは、ポテンシャルが伝わらないのです。マーケティングリサーチャーはどちらかというと、調査をしましょう!に留まりがちで、どうやって儲けるか?という視点が抜けやすいので注意が必要です。


転職に必要なのは、“戦略的な経験の棚卸し”

もしあなたがリサーチから商品企画へのキャリアチェンジを考えているのなら、まずやるべきことは「棚卸し」です。調査プロジェクト単位で自分の役割を振り返り、どんな問いを立て、どう企画に貢献していたかを“成果ベース”で言語化すること。

また、副業や社内異動といった“越境的な経験”も武器になります。いきなり「リサーチャー→企画職」の一本道を狙うのではなく、「接点をつくる→成果を出す→移る」という3段階で戦略的に動くほうが、成功確率は格段に上がります。

自分のキャリアを俯瞰してみてください。


最後に:あなたのスキルは“使えない”のではなく“伝わっていない”だけ

リサーチャーが商品企画に転職できるか? 答えはYESです。ただし、スキルは黙っていても伝わるものではありません。ちゃんと、翻訳して届ける必要がある。

キャリアに迷いがあるのは、自分の可能性を疑っているからではなく、まだ正しい届け方を知らないだけかもしれません。言語化し、ラベリングし、ストーリーを語る力。それこそが、リサーチャーが次の舞台へ向かうための、本当の“分析力”なのです。

私にキャリア相談したい方はcoacheeさんから可能です。
https://coachee-hr.com/coachee/detail_plan/396

ほな、さよなら三角また来て四角

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事